今日からスタートする【やさしく学ぶ漢方の基本】シリーズ。
第1回は、そもそも「漢方ってなに?」というところからご紹介します。
🌿そもそも「漢方」ってなんだろう?
「漢方薬って、自然由来の薬でしょ?」
「中国の薬ってこと?」
そんなイメージを持っている方も多いと思います。
実は、「漢方」とは、日本で発展した独自の伝統医学のことなんです。
もともとは中国から伝わった医学(中医学)が、日本の気候や体質、生活習慣に合わせて少しずつ変化し、江戸時代には「和製の医学=漢方」として体系化されました。
✅ 漢方 ≠ 中医学
中医学がオリジナルの“本家”とすれば、漢方は日本流にアレンジされた“和風版”ともいえます。
🧪現代医学と何がちがうの?
現代医学(いわゆる西洋医学)は「病気そのものを診て治す」医学。
たとえば風邪をひいたら、ウイルスを抑える薬や咳止め、解熱剤などで症状をピンポイントに抑えるのが基本です。
それに対して漢方医学は、体全体のバランスを整えることで症状を改善しようとします。
現代医学 | 漢方医学 |
---|---|
病気や原因を直接たたく | 体の「偏り」を整えて回復させる |
即効性を重視する | 体質や慢性症状にアプローチ |
データ(数値・画像)で診断 | 体質・舌・脈など全体で診断 |
⚖️「部分」ではなく「全体」を診るのが漢方
たとえば、同じ「咳」でも…
- 乾いた咳でのどが乾燥している人には → 麦門冬湯
- 痰が絡んで胸が苦しい人には → 半夏厚朴湯
- 虚弱体質で長引く咳には → 補中益気湯
など、症状+体質+体の状態に合わせて薬を選びます。
つまり、同じ症状でも使う漢方薬は人によって違うのです。
🌼漢方は「不調の原因を探して、体を整える」医学
現代医学が“即効性”や“原因に直接アプローチ”するのに対して、
漢方は“じっくりと体の土台を整えて、自然に治す力(自然治癒力)を引き出す”という考え方を大切にしています。
💬「病名がつかないけれど、なんとなくつらい…」という不調には、漢方の出番かもしれません。
👩⚕️最後に
漢方と聞くと「難しそう」「時間がかかる」と敬遠されがちですが、
実は私たちの体にとてもやさしく、そして理にかなった医学です。
次回からは、漢方でよく使われる**「気・血・水(き・けつ・すい)」**という体のしくみの考え方をご紹介します。
ここを知ると、自分の体質や不調の原因が少しずつ見えてきますよ。
📝まとめ
- 「漢方」は日本で独自に発展した医学
- 現代医学は「原因を叩く」、漢方は「全体を整える」
- 同じ症状でも、使う漢方薬は人によって異なる
- 自然治癒力を引き出す、やさしい医学
🌿体と向き合うきっかけに。
漢方の世界を、少しずつ一緒にのぞいていきましょう!