第6回「冷え」と漢方 〜タイプ別!あなたの冷えはどこから?〜

やさしく学ぶ漢方の基本。前回の第5回では、体の3つの要素「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスについてお話ししました。 今回は、その知識を使って、多くの人が悩む「冷え」 にアプローチしていきます。

「夏でも手足が冷たい…」「お風呂で温まってもすぐ冷える…」 そんな冷えの悩み、実は漢方では「冷えのタイプ」がいくつもあると考えるんですよ。同じ冷えでも、原因が違えば対策もまったく違うんです。

1.そもそも「冷え」ってどうして起こるの?

西洋医学では、冷え性は病気として扱われないことが多いですよね。でも漢方では、冷えは「未病(みびょう)」 = 病気の一歩手前のサインとしてとても重視されます。

冷えが続くと、肩こり、頭痛、生理不順、むくみ、不眠など、さまざまな不調を引き起こすと考えられているんですよ。

💡 漢方での冷えの考え方

  • 熱を作る力が足りない
  • 熱を運ぶ力が足りない
  • 熱の通り道が詰まっている

つまり「熱の生産・配送・流通」のどこかにトラブルがあると、冷えが起こるんです。

2.タイプ① 気虚タイプの冷え 〜エネルギー不足で熱が作れない〜

第5回で出てきた「気虚(ききょ)」が原因の冷えです。

⚡️ こんな人は気虚タイプかも

  • 疲れやすく、いつもだるい
  • 食欲がなく、胃腸が弱い
  • 風邪をひきやすい
  • お腹や全身がじんわり冷える

イメージ: 「ストーブの燃料切れ」。体を温めるエネルギーそのものが足りていない状態です。

🍵 対策のヒント

  • 温かくて消化のよいものを食べる(おかゆ、根菜スープなど)
  • 冷たい飲み物・生もの・甘いものを控える
  • 早寝早起きで体力を回復する
  • 漢方では「人参湯(にんじんとう)」「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などが使われます

3.タイプ② 血虚・瘀血タイプの冷え 〜栄養不足とドロドロ血流〜

血のトラブルから来る冷えです。手足の先まで温かい血が届かない状態ですね。

🩸 血虚タイプ(栄養不足の冷え)

  • 顔色が青白い、唇の色が薄い
  • 手足の先がいつも冷たい
  • 髪や肌がパサつく
  • 立ちくらみしやすい

イメージ: 「ガス欠で配送が止まった状態」。

🩸 瘀血タイプ(ドロドロ血流の冷え)

  • 肩こり・頭痛がひどい
  • 生理痛が重く、レバー状の塊が出る
  • 目の下のクマ、シミが気になる
  • 下半身だけ冷える

イメージ: 「川が詰まって温かい水が流れない」。

🍵 対策のヒント

  • 血虚には:赤い食材(レバー、なつめ、クコの実)、黒い食材(黒豆、黒ごま)
  • 瘀血には:軽い運動、ストレッチ、お風呂でしっかり温める
  • 漢方では「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」などが代表的です

4.タイプ③ 水滞タイプの冷え 〜水分過多で体が冷える〜

体に余分な水分が溜まっていることで起こる冷えです。

💧 こんな人は水滞タイプかも

  • むくみやすい、特に脚やまぶた
  • 雨の日や梅雨に体調が悪い
  • 胃がチャポチャポする感じがある
  • 下半身が特に冷える、お腹を触ると冷たい

イメージ: 「濡れたタオルを巻いているような状態」。余分な水が体を内側から冷やしてしまうんです。

🍵 対策のヒント

  • 水分をダラダラ飲まない(喉が渇いたときに温かいものを少しずつ)
  • 利尿作用のある食材(小豆、はとむぎ、瓜類)を摂る
  • 汗をかく軽い運動を習慣に
  • 漢方では「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」「五苓散(ごれいさん)」などが使われます

5.タイプ④ 気滞タイプの冷え 〜ストレスで熱が偏る〜

意外と多いのが、ストレスからくる冷えです。気の流れが滞ることで、熱が体の一部に偏ってしまうんです。

⚡️ こんな人は気滞タイプかも

  • 手足は冷たいのに、顔や頭はのぼせる
  • イライラしやすい、ため息が多い
  • 喉のつまり感がある
  • 緊張すると手足が冷える

イメージ: 「上半身は渋滞でアツアツ、下半身は信号待ちで冷え冷え」。これを漢方では「冷えのぼせ」とも呼びます。

🍵 対策のヒント

  • 香りの良いもの(柑橘類、ミント、ハーブティー)でリラックス
  • 深呼吸、ヨガ、軽いストレッチ
  • スマホやPCから離れる時間を作る
  • 漢方では「加味逍遙散(かみしょうようさん)」などが使われます

6.自分のタイプを知って、冷え対策を始めよう

冷えは一つの症状でも、原因はさまざま。だからこそ、「とりあえず温める」だけでは改善しないことも多いんです。

💡 セルフチェックのポイント

  • いつ冷えるか(朝・夜・季節)
  • どこが冷えるか(全身・手足だけ・下半身)
  • 他にどんな症状があるか(疲れ・むくみ・イライラなど)

これらを観察するだけで、自分のタイプがなんとなく見えてきますよ。 また、複数のタイプが混ざっていることもよくあるので、迷ったら漢方に詳しい薬剤師さんや医師に相談するのもおすすめです。

7.まとめ

今回のまとめ

漢方では冷えを「未病」 として重視し、タイプ別に考えます。

冷えの主な4タイプは:

  • 気虚タイプ:エネルギー不足の「燃料切れ」
  • 血虚・瘀血タイプ:栄養不足やドロドロ血流の「配送トラブル」
  • 水滞タイプ:余分な水分による「内側からの冷え」
  • 気滞タイプ:ストレスからくる「冷えのぼせ」

自分のタイプを知ることで、ぴったりの対策が選べるようになります。 次回は、もうひとつ多くの人が悩む「胃腸の不調」と漢方のアプローチを見ていきましょう!

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